人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ハーデーズナイ

今月は特別である。

まぁぶー子と私の誕生日があるからそれでもう休日の2日がつぶれるのだが、そこへきて色々とイベントなどが重なり、週末のうち1日は二日酔いで毎週つぶれるので結構ハードな月になった。

タイムカードの上に飲み会の出席表が貼り出されていた。

26日の金曜日。

前から聞いてはいたが、25日は私の誕生日である。

毎年誕生日前後の週末に何かしらしているので、重なる可能性大である。

しかし祝われる側が「私の誕生日はいつ祝ってくれるのでしょうか?」と聞くわけにもいかず、ひたすらダンナが言い出すのを待っていた。

誕生日を忘れられていた年もあったのだ。

またそんな事があったら大いに怒り、どこかの温泉旅行でもゲットしようと思っているので、こちらから下手に刺激したくない気持ちもあった。

飲み会の締め切りは一応今週一杯。

ダンナが言い出すのとどっちが早いか。

「ぽ子、実はね・・・。」

ダンナが言いにくそうにこう切り出すときは、大抵会社での飲みだ。

「どぇ~、また飲みですか。」またではない。「また」は私である。

「んー、会社の社員パーティで・・・。」

また女がどうだのズルいだのゴネようと思っていたら、んん?これはチャンスと言うものか。

「じゃあって訳じゃないけど」ムチャクチャ「じゃあ」であるが「私の方も26日に飲みがありまして・・・。」

一応返事を伺うような言葉にはなっていたが、ほとんど宣言である。

こうして26日の飲みは出席できることになった。

誕生日は20日にと言ってくれたので、この週も埋まった。もちろん二日酔い休暇と抱き合わせで。

まぁ自分ばっかりだとやっぱり後ろめたく言いにくいものである。

それでもダンナが飲みに出ると思うと素直に「楽しんできてね♪」と言えないもので、「ぶー子、お父さんまた飲みに行くんだってー!!」またではないが、イヤミったらしくぶー子に言いつける。

「へー、いいじゃん。それよりお母さんがいつも酔っ払って帰ってくるのがイヤなんだけどっ。」

そこで私は前回誰も起こさずに帰って来たこと熱く訴えたが、何十回中の1回である。次回に期待などしてない事だろう。

「ぽ子さん、ちゃんと帰ってくださいよー。」

しかし会社でも上司アンガにそう言われる。

今回彼はカノジョを連れてくるので、「ぽ子係」はできないのだ。

前回は全く方向の違うジャジャマキがタクシーでうちまで送ってくれ、タクシーを降りるとアンガがチャリで着いたところだった。

大変世話の焼ける女である。しかし情けない事に自分でも自信がないのだ。助かっている。

とにかくこんな感じで飲み会は決まったが、ダンナが昨日気付いたことがあった。

「庄やのボトル、多分今月一杯だよ。どうしようか?」

もうそんなか。

飲むなら週末がいいし、そうだ、いつも金曜の歯医者の後に飲んでたんじゃないか、今回もそうしよう。

ところが良く考えてみると、歯医者は26日の5時半に、ここから1時間半の西荻であった。

これではボトルどころか飲み会も無理だ。

歯医者を変えて、その日に一緒にボトルにしよう。

カレンダーを見てみるが、ボトル空けるなら金曜しかない。

金曜って、明日の金曜と、誕生日の前日の金曜と、飲み会の金曜しかないじゃないか。

明日の金曜→前回の予約の時午後は埋まっていた。今夜のおかずには全てニンニクが入っているから午前は無理。

誕生日の前日→飲み過ぎると次の日に響く。そもそもこの日は歯医者は臨時の休みであった。ついでに言うと保護者会も入っていたが、そんなものはボトルの前には全くどうでもいいものだ。

飲み会の金曜日→だからこの日をキープするために歯医者を動かすのだ。

もうこれは平日にするしかない。観念した。

まぁ保護者会と歯医者を除けは楽しいものばかりだ。

10月はぽ子にとって楽しい月なのだった。