人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ウィークエンド♪

三連休の始まりである。

私はまたこの連休をだらしなく過ごして終わらぬよう、事前にちゃんと計画した。

初日の今日は一番重要な日だ。

いつもならダンナの習い事があり昼前のいい時間が使えないのだが、今日は休みなのだ。有効に使いたい。

そこで私は今週ずっと考えていた。

せっかく朝から動けるのだ。

いい季節になってきたし、何かフレッシュな企画はないか。

仕事をしながら頭の中は週末のバカンスで頭が一杯だった。

そして私が考えついたのは、ピクニック♪である。

大きなお弁当のバスケットを持って、公園あたりで酒を飲むあれだ。

お台場、昭和記念公園、小金井公園、葛西臨海公園・・・。

私は考えつくたびに、仕事のマニュアルのメモの最後のページに書き足していった。

結局所沢の航空公園に決めたのだが。

ところで昨日は歯医者だったから、帰りにダンナと待ち合わせてラーメン食べて居酒屋に寄った。

そこで飲みながら「・・・これではあした弁当を作る時間はないね。」という事になり、大きな弁当のバスケットがまず流れた。

まぁ途中で何かおいしそうなものを買い出しながら行くのもまたいいだろう。

居酒屋を後にして家に着くと、ワインのボトルを開けた。

週末なのだ、誰に気兼ねもせず飲めるのだ。

その調子で1時半まで飲んでしまった。

「クーラーボックスは11時過ぎてから持って来て欲しいんだけど♪」

そんなメールに起こされた。

そうだった、今日、娘ぶー子の学校に文化祭に使うクーラーボックスを車で運ぶ事になっていたのだ。

なに?11時過ぎ??

それまで行動できないのか?

ピクニック・・・。

しかし頭がズキズキと痛み、激しく喉が渇いていた。

・・・これは・・・。でもちょっとラッキー・・・。

私は仕方なく、仕方なくまた目を閉じて眠りに入った。

昼前に起きだして、支度を整える。

「どこのラーメンにする?」

まるでピクニックの企画などなかったようである。

しかし私の頭はズキズキと痛み、体は激しく麺類を欲していた。

「・・・どこでもいいよ・・・。」ダンナが呆れたように答える。

まぁある意味これで予定通りなのかもしれない。

無理なのだ、朝起きて弁当ピクニックなど。

クーラーボックスをぶー子の学校に持っていくと、校門に2人先生が張っていた。

校則などあってないような無法地帯であった高校なのだが、今年度校長が代ってから恐ろしく厳しくなったらしいのだ。

ここで生徒の出入りを常に見張っているのだが、私たちがぶー子と先生とウダウダ話している間に、茶髪でギターを担いだ生徒がスーッと自転車で門を抜け出した。

「オラ、待てェ!!」

年配の盆栽の似合いそうな教師が絶叫し、そこから熱いバトルが開始された。

つかみかかり、今にもどちらかがブン殴りそうな勢いだ。

いい時に来た。

私たちは秘かに、しかしじっくり観戦させてもらった。

この後は石神井までラーメンを食べに行き、家に戻るとソファにだらしなく座った。

「・・・で、寝る?飲む?」ダンナが問うてくる。

「・・・どうせ飲んでも寝るよ・・・。だったら寝よう・・・。」

そう言って、今週もいつもの週末決定となった。

隣の部屋のテレビからにしおかすみこの声がして目が覚めた。

ええっ!?もうエンタ!?10時過ぎたってことか。

良く寝た・・・。

今日もクズであった。