人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

食い過ぎて飲み遅れ

カレーライス、寿司、唐揚げ、うどん、ラーメン、

肉、ライス、肉、肉、ソーセージ。

コーヒーゼリー、メロンシャーベット、パイナップル。

食い過ぎだ。見事に野菜がないな。

朝抜いて、と言ってもいつも抜いてるけど、

食い放題に行って来た。

火が弱くなかなか肉が焼けなかったから、邪道なものでお腹が膨れてしまった。

「今回は邪道に走ってしまった。」とダンナに言ったら、なぜか爆笑していた。なぜだ?

食べ過ぎて脳の回路がおかしくなったか?

娘ぶー子にも「お父さんに向かって『邪道に走ってしまった』って言ってみて。」と頼んだが、その時は全然笑わなかった。

「邪道に走ってしまった。」

謎だ。

私とぶー子が苦しい苦しいと言ってる間、ダンナは「まだ80%。」と言って、肉を焼いてライスのおかわりを持ってきた。

どうなっとるんじゃ、ダンナの内臓は。

私はもう油っこいのはダメだぁ・・・とパイナップルを食べてみたが、エルに噛まれた下唇にしみて酷い目にあった。

時間いっぱいで、やっとダンナのお腹が膨れてくれたようだ。

フルじゃ止まらないのだ。オーバーしてやっと止まるのだ。

だから次に来る言葉は「苦しい。」だ。ダンナ曰く、苦しいを通り越して「痛い」らしい。

その頃私とぶー子は少しこなれてきている。寿司を食った。

こんなにお腹が膨れたのだ。当然眠くなる。

家までもたなかった。

店の駐車場ですでに寝ていた。

それでもせっかくの休日だから、明るいうちに飲まねばならない。

「さあ飲むか。」

習慣だから家に着くとそう言うが、もう胃袋に全く隙間はない。

ソファに座り込むと、防犯のためにつけっぱなしていたテレビで

「決定!本当に美味しいラーメン・・・ベスト30」の再放送がちょうど始まるところだった。

「おお!!」

さっきまで苦しいと言っていたはずだが、次々現れるラーメンに思わず「うまそう・・・。」と声が漏れる。

しかしやはり睡魔に負け、10位あたりで寝てしまう。

気が付いたらダンナはぶー子とネットゲームをやっていた。

楽しそうだ。

こりゃあいい、もっと寝てやろう。

次に目が覚めた時もまだゲームをやっていた。

寝転がった状態でボーッとしていたが、終わっても「じゃ、次これいく?」と言って始めるので、終わる気配が全然ない。

・・・暇だ。

側にあった新聞を読む。・・・朝読んだな。でも他にやる事がない。

ぶー子達は「脱出ゲーム」なるものをやっているようだ。

恐らく謎解きモノだろう。ダンナの得意分野だ。

ふたりで仲睦まじく、力を合わせている。

・・・暇だ。暇。

「・・・暇じゃのう・・・。」呟いてみた。

ダンナは「ぽ子もやろうよ。」と言ったが、嘘だ、謎解きなんか私にできないと思ってるくせに。

おざなりな返事だぜ・・・。

仕方なく私は音楽室に行って、久しぶりにピアノを弾いた。

せっかくの音楽室なのに、ここまで暇にならないと楽器と向かい合わないのだった。

とは言え、もう何年も真剣に弾いてないので、まともに弾ける曲は限られている。

私は昔習っていた時に弾いたブルグミュラーをヤケクソで一気に、繰り返しも忠実に守り1冊25曲全部弾いてやった。

小学生の時に弾いたものだ。

23曲目の時にダンナが「お風呂わいたよ。」と言いに来たので、全部弾ききって風呂に入る事にした・・・なんだか孤独だ。

リビングに下りるとぶー子がダンナに「地獄少女始まるよ~。」と声をかけていた。

今度はテレビか・・・。

ふたり並んでソファに座ってテレビに見入っていた。

私は風呂だ。

お腹もこなれてきてしまって、なお悲しい。

グスン、あんなにいっぱいだった食べ物はどこに行ってしまったのだ?

何か食べたいよう・・・。

風呂から出ると、まだ2人は並んで地獄少女を観ていた。

こんな事なら私も時々観ておくんだった。

オラ、風呂あいたぞ、さっさと入ってビール飲もうったら!!

結局乾杯は8時半、いつもと同じだ。

まぁいい、明日は休みだ、どんと飲むぞ。

今夜はガキの使いのDVDだぞ~!!